「クラシック演奏家が劇場を出て、生活の場に溶け込む」という宣言
安田音楽制作事務所 東京オフィスは「演奏で、あなたの問題を解決する」をコンセプトに据える。ホテルの宴会場だけを想定した事務所ではなく、水族館・電車内・冷凍庫・霊園・パチンコ店・商業施設と、これまでの演奏場所のリストがそれを証明している。2010年の創業から2026年の東京移転まで、法人化・スタジオ開設・商号変更と段階を踏みながら全国展開の体制を整えてきた。
登録演奏家247名・全国9拠点という数字は、単なる規模感の提示ではなく、どの地域に会場があっても希望の奏者を手配できるという実用的な意味を持つ。各拠点の基準駅からの交通費計算を採用しており、地方開催でも費用の見積もりが立てやすい。JTB・近畿日本ツーリストといった旅行会社との取引実績が並ぶのは、この機動力が評価されてきた結果だろう。
演目・料金・書類——発注側の手間を減らす三つの設計
楽譜のある楽曲であれば演歌・歌謡曲・JAZZ・アニメソングも演奏でき、楽譜のない曲は音源提供でデザイン部が制作する。対応演目の幅はほぼ無制限で、料金はすべてウェブサイト上に公開——「クラシックは高そう」という先入観を意識的に払拭しようとしている。業務委託契約書・関係書類の準備と万が一への対応もフローに組み込まれており、書類まわりで詰まることが少ない設計になっている。
「そこまでやってくれてこの料金は安い」という感想が利用者から繰り返し寄せられているという。問い合わせへの初回返答は1営業日以内が基準で、緊急の場合は電話でも対応する。明治安田生命・パナソニックホームズ・株式会社ニプロといった企業名が取引先に並ぶのは、この対応の積み重ねによるものだ。
現役オペラ歌手が代表として、全案件の現場に立つ理由
代表・安田旺司はイタリアと国内の劇場での実績を持つ現役のオペラ歌手で、全案件に歌手・マネージャー・スタッフのいずれかとして直接関与する。プレゼン用の資料・画像・映像を事前に整え、不安がなくなるまで打ち合わせを繰り返す体制は、担当者の社内調整を含めてサポートする設計だ。「ほんとに頼んでよかった!!」という言葉を担当者から引き出すことを目標として公言している。
びわ湖ホール・茨木市文化振興財団・宗次ホールといった文化施設との取引実績に加え、日吉大社・仁和寺での演奏も記録に残る。びわこ放送・NHK大津放送局へのテレビ出演実績も持ち、演奏の実績が多様な分野に及ぶのがヤスオンの実像に近い。
「走る電車」から宇宙へ——提案力の系譜と次のビジョン
「走る電車コンサート」でヤスオンを全国区に押し上げた発想力は、「フラッシュモブinオペラ」「Maiko with OPERA」「サプライズ余興シェフDeオペラ」という演出パッケージへと進化している。「ありえないけど実現しそうな提案」を返すのがヤスオンのスタイルで、「こんなことやりたい」という漠然とした希望が出発点でも提案に持ち込める。テレビ出演や過去の演奏映像は動画ギャラリーで公開されており、提案の具体的な幅が一覧できる。
社是「Smile with MUSIC」、ビジョン「一億総演奏の楽しさ知ってるよ化」、そして2050年の宇宙空間への演奏家派遣——経営理念「演奏を通してすべての生命の心を豊かに明るく」の射程は、地球の外まで延びている。



