保護モルタルで全部わかる徹底ガイド―種類や厚みと施工費用までまるごと解説

屋上やベランダの防水が「歩くとふかふか」「白華やヘアークラックが出てきた」といった悩みは、保護モルタルの選定や厚み設計が原因のことが多いです。保護モルタルは防水層の紫外線を大幅に遮り、歩行荷重を分散し、温度変化のストレスを和らげます。だからこそ、用途に応じた材料・厚み・勾配の見極めが要になります。

本記事では、屋上・ベランダ・厨房・基礎など定番箇所での採用ポイントや、セメント・細骨材・混和材・繊維の機能、さらにシート防水やウレタン防水との相性まで俯瞰して解説します。例えば屋上の歩行仕上げでは「勾配1/100〜1/50の確保」「端部の絶縁・脱気処理」など、現場で外せない基準を具体値で提示します。

国交省通達や建築学会の指針にもある通り、含水管理と付着強度の確認は仕上がりを左右します。現場調査での「浮き・剥離・排水計画」の見極めから、費用や工期の目安、見積もりの注意点まで一気通貫で整理。「どの材料を、どの厚みで、どんな手順で」を迷わず決めたい方に向けて、実例ベースで失敗しにくい選び方をお届けします。

  1. 保護モルタルの基本がすぐにわかる!最速スタートガイド
    1. 保護モルタルの意味と防水層にどんな働きがある?
    2. 保護モルタルが使われる建物や場所はどこ?定番と実例紹介
  2. 保護モルタルの種類や材料がひと目でわかる!選び方入門
    1. 保護モルタルの材料や添加剤を徹底チェック
      1. 防水性アップに効く混和材はどう使い分ける?
      2. 保護モルタルとシンダーコンクリートの違いをはっきり比較
    2. 厨房で使う保護モルタルの選び方と仕様
  3. 用途別で迷わない!保護モルタルの最適な厚み丸わかりガイド
    1. 屋上やベランダでの保護モルタル厚みはどれが正解?
      1. シート防水への保護モルタル厚み、標準のベストな数値を伝授
    2. 厨房は保護モルタル厚みや勾配でどう決める?
  4. 防水工法ごとの相性と保護モルタルを選ぶコツが手に入る!
    1. ウレタン防水と保護モルタルはどんな時に最適?
      1. FRP防水と比べてわかる保護モルタルの強みと弱み
    2. アスファルト防水やシート防水と保護モルタルの組み合わせ力
  5. 保護モルタルが劣化したら…初期症状から原因まで丸わかり点検法
    1. 保護モルタルで見落としやすい!劣化のサイン総まとめ
      1. 保護モルタル劣化の「主な原因」と「施工ミス」の関係とは?
      2. 放置すると怖い!保護モルタル劣化による被害リスク
  6. 保護モルタルの標準施工手順と失敗しない品質管理テクニック
    1. 下地処理・プライマー塗布で守るべきポイント
      1. モルタル塗りと仕上げ養生で押さえたい大事な基準
      2. 仕上げ後の検査チェック!保護モルタル受け入れ基準リスト
    2. 保護モルタル施工でよくあるトラブルと回避テクをまとめて紹介
  7. 保護モルタルの費用相場や単価がすぐわかる!金額丸見えガイド
    1. 保護モルタルの施工単価は?気になる工期の目安もご紹介
    2. 予算を賢く抑えるための見積もり比較ポイント
  8. 保護モルタルの改修で失敗しないための現地調査虎の巻
    1. 密着工法と絶縁工法どっちが最適?判断に迷わないチェック法
      1. 現場で見逃せない保護モルタルの調査チェックリスト
    2. 既存の防水上への保護モルタル施工ポイント
  9. 実際の現場から学ぶ!保護モルタル施工の成功と失敗事例集
    1. 屋上改修で保護モルタルが最大効果を発揮した進め方
    2. ベランダや厨房での保護モルタルトラブルを防ぐ知恵袋
  10. 保護モルタルのよくある質問と施工前のチェックリスト
    1. 保護モルタルの厚み・材料・費用・工期・養生・増し打ちもこれで安心!Q&Aまとめ

保護モルタルの基本がすぐにわかる!最速スタートガイド

保護モルタルの意味と防水層にどんな働きがある?

保護モルタルは、屋上やベランダなどの防水層を外力から守る仕上げ材です。主な働きは、歩行荷重を面で受けて分散し、防水層の傷やへたりを抑えることです。さらに、直射日光や温度変化を受けにくくすることで、紫外線劣化の抑制熱応力の緩和にも役立ちます。材料はセメントと砂を基本に、必要に応じてポリマー混和材を加え密着と耐久性を高めます。施工では、厚み管理が品質の要です。屋上では一般に30mm以上、歩行用途ではより厚めが選ばれます。仕上げにはトンボや金コテを使い、排水勾配と平滑性を確保します。厨房のように水・油が多い環境では、ウレタン防水の上に適切な厚みで保護層を設けると、耐久とメンテ性が向上します。

  • ポイント: 防水層の保護、紫外線遮蔽、荷重分散を一体で実現

  • 厚みの目安: 非歩行30mm程度、歩行はより厚めが安心

  • 施工の勘所: 勾配づくり、トンボでの均し、適切な養生

補足として、耐久を求める場合はシンダーコンクリートや保護コンクリートを組み合わせる選択もあります。

保護モルタルが使われる建物や場所はどこ?定番と実例紹介

採用シーンは広く、屋上やバルコニーの防水保護、基礎の保護層、厨房床の防水保護などが定番です。屋上ではシート防水やアスファルト防水の表面に施工し、温度変化と機械的衝撃から守る役割を担います。ベランダは歩行頻度が高いため、厚みと仕上げの均一性が重要です。厨房は水と油、熱の影響が大きく、厨房防水納まりに合わせて厚みを調整します。立上りはクラック抑制と清掃性を意識し、面と連続させると良好です。材料選定では保護モルタル材料の品質や単価、メンテ周期を比較し、環境や荷重条件で決めます。シート防水では保護コンクリートとの比較検討も有効で、工期や重量、後メンテの容易さを見極めて選びます。

採用部位 目的 厚みの考え方
屋上(非歩行) 紫外線・熱対策、機械的保護 30mm程度を基準
屋上(歩行) 荷重分散と耐摩耗 30mm以上で堅牢に
ベランダ 歩行と清掃のしやすさ 勾配維持と均一仕上げ
厨房床 水・油・熱から防水層保護 環境に合わせて適切厚み
立上り クラック抑制と密着 下地と連続性を確保

表の内容は一般的な目安で、現場条件により最適値は変わります。施工前に荷重と下地の状態を確認すると安全です。

保護モルタルの種類や材料がひと目でわかる!選び方入門

保護モルタルの材料や添加剤を徹底チェック

保護モルタルは、セメントと細骨材をベースに、現場条件へ合わせて混和材や繊維を加えて性能を最適化します。屋上やベランダの防水層を守る目的では、密着性と収縮低減が重要です。厨房や水回りでは耐薬品性や清掃性が欠かせません。配合を選ぶ際は、下地の状態や必要厚み、歩行の有無を確認し、プライマー適合性と施工環境の温湿度に合わせて可使時間を決めます。骨材は粒度が均一だと表面が締まりやすく、クラック抑制には合成繊維が有効です。シート防水やウレタン防水の上ではプライマーで密着を確保し、コテ仕上げだけでなくトンボで厚みを均し、必要に応じてトップコートで表面保護を加えると耐久が安定します。厚み管理は性能の要で、非歩行は薄め、歩行は厚めが基本です。

  • ポイント: 下地の吸水と防水層の種類に合うプライマー選定が重要です。

  • 推奨: 収縮低減剤や繊維でクラックリスクを抑えます。

  • 注意: 施工温度と乾燥時間を守らないと密着不良が起こります。

防水性アップに効く混和材はどう使い分ける?

保護モルタルの防水性は、セメントだけでは不十分になりがちです。そこでポリマー系混和材を加えると密着性と透水抵抗が向上します。さらに収縮低減剤で乾燥収縮クラックを抑え、可塑剤で作業性を整えるのが基本です。防水層の上に施工する場合は、プライマーとポリマーの相性が仕上がりを左右します。厨房や薬品を使う環境では、耐薬品性に配慮した樹脂を選び、強アルカリや油分に触れる頻度も検討材料にします。外部の屋上やバルコニーでは紫外線や温度変化にさらされるため、表面の緻密化とトップコートの追加で耐久を底上げします。厚みを増せば防護力は上がりますが、荷重増も発生するため、構造の許容範囲を確認してバランスを取ることが大切です。仕上げ直後の急乾燥はひび割れの原因になるため、適切な養生も忘れないようにしましょう。

保護モルタルとシンダーコンクリートの違いをはっきり比較

保護モルタルは防水層の保護と表面調整を主眼にした薄層から中厚層の仕上げで、均一な厚み管理と密着性が強みです。いっぽうシンダーコンクリートは軽量骨材を使って軽量化と断熱性を狙い、厚みを取りやすく勾配形成にも適します。荷重の観点では、保護モルタルは比較的軽く、既存屋上の改修で使いやすい一方、シンダーコンクリートは軽量でも総量が増えると構造検討が必要です。温度変化や雨水による影響には、表面の緻密さと目地計画が効きます。歩行やメンテナンス頻度が高い屋上では、保護モルタルにトップコートを重ねると耐摩耗性が安定します。施工スピードは、モルタルのほうが小面積対応に向き、シンダーコンクリートは広面積の勾配づくりで効率を発揮します。どちらも下地との密着を確保し、変形追従性に配慮した配合を選ぶと長期性能につながります。

厨房で使う保護モルタルの選び方と仕様

厨房で使う保護モルタルは、耐熱性と耐薬品性、そして掃除のしやすさが鍵です。熱湯や蒸気、油が日常的にかかるため、ポリマーセメントモルタルで密着と透水抵抗を高め、収縮対策を加えてひび割れを抑えます。厚みは下地条件と防水層に合わせて計画し、排水方向へ微勾配をつけると水はけが向上します。仕上げはコテ押さえで緻密にし、必要なら耐滑性を確保します。ウレタン防水の上ではプライマー適合を確認し、端部や立上りはシーリングで水の侵入を抑えます。清掃性を高めるには表面の目止めやトップコートが有効で、油染みや洗剤による劣化を軽減します。施工は下記手順で品質を安定させやすく、厨房防水の納まりにも適合しやすい方法です。

項目 推奨仕様
材料選定 ポリマーセメント系+収縮低減+繊維でクラック抑制
厚み目安 厨房では10mm程度を基準、用途で増減
下地条件 防水層に適合するプライマーで密着確保
仕上げ コテ押さえで緻密化、必要に応じ耐滑仕上げ
養生 乾燥と湿潤のバランスを取り急乾燥を回避
  1. 下地確認を行い、油分や粉塵を除去します。
  2. プライマー塗布で防水層との密着を安定させます。
  3. 配合調整をして作業性と収縮をバランスさせます。
  4. 打設とトンボ均しで厚みを確実に確保します。
  5. コテ仕上げと養生で表面緻密化とひび割れ抑制を図ります。

用途別で迷わない!保護モルタルの最適な厚み丸わかりガイド

屋上やベランダでの保護モルタル厚みはどれが正解?

屋上やベランダの厚みは、歩行の有無と防水層の種類、勾配で決めるのが基本です。非歩行の屋上は防水層を保護しつつ荷重を抑えるために、保護モルタルを薄めに設計します。人が常時歩くベランダや共用屋上は衝撃や摩耗が増えるため、厚みを上げて耐久と防水層の保護を両立します。ウレタン防水やシート防水の上なら、下地と防水層の状態を調査して密着や絶縁の工法を選定し、プライマーや目地、伸縮への配慮を組み合わせます。勾配は雨水を滞留させないことが最重要で、既存が不十分なら増し打ちで調整します。

  • 非歩行は軽量と保護を両立し、必要最小限の厚みにします

  • 歩行部は摩耗対策で厚め、表面硬度と防滑性も確保します

  • 勾配は1/100〜1/50程度を目安に水たまりを回避します

勾配と動線を先に確定し、厚みと材料を最適化すると施工と維持管理が安定します。

シート防水への保護モルタル厚み、標準のベストな数値を伝授

シート防水上の保護は、防水層の熱や紫外線、機械的損傷を抑える目的が中心です。非歩行の屋上は軽量化を優先し、歩行部は端部や入隅の割れ対策を強化します。絶縁工法では通気層や脱気装置で水蒸気圧を逃がし、端部は目地やシーリングで伸縮を許容します。立上りの保護は厚みを過大にせず、シートの可とう性を損なわない納まりが重要です。シンダーコンクリートで軽量化する選択肢もありますが、強度と仕上げ平滑性のバランスを見ます。

  • 非歩行部の目安は約30mm

  • 歩行部の目安は約40〜50mm

  • 端部は伸縮と排気を重視、脱気盤や伸縮目地で応力を分散

厚みと納まりは一体で設計し、通気と端部処理を丁寧に行うと防水層の寿命が伸びます。

厨房は保護モルタル厚みや勾配でどう決める?

厨房は水・油・熱が集中するため、防水層の保護と排水計画が肝心です。保護モルタルは清掃や防滑、機器荷重を踏まえて選び、耐熱や耐薬品性を確認します。厚みは薄すぎると浮きや欠けが起こりやすく、厚すぎると立上りや排水金物の納まりが難しくなります。勾配は排水目標に合わせて均一に付け、ドレン周りはクラック抑制の補強を加えます。ウレタン防水と組み合わせる場合は、プライマーや通気処理、硬化時間の管理で密着不良を防ぎます。

  • 厨房床の目安は約10〜20mm、局所荷重部は増厚で対応

  • 勾配は1/50前後で排水短絡を意識、動線は防滑仕上げ

  • トンボで厚み管理し、表面は清掃性と防滑性の両立を図ります

実務では材料と下地の相性確認が要で、試験施工で密着と仕上げ感をチェックすると安心です。

用途・部位 厚みの目安 仕上げ/材料のポイント
非歩行屋上(シート防水上) 約30mm 軽量化と通気確保、絶縁工法で脱気装置を併用
歩行屋上・ベランダ 約40〜50mm 表面硬度と防滑、伸縮目地でクラック抑制
厨房床 約10〜20mm 排水勾配1/50前後、耐薬品・耐熱性を確認

上記は実務で多用されるレンジです。現場条件や防水層の種類により最終値は調整します。

  1. 既存下地と防水層の状態を確認し、劣化や含水を把握します
  2. 勾配と排水計画を確定し、厚み配分と目地を決めます
  3. プライマー選定と通気・脱気計画を整理します
  4. トンボで厚み管理し、養生と硬化時間を厳守します
  5. ドレン・端部・立上りの納まりとシーリングを点検します

この手順で施工すると、防水層の保護性能と日常の使い勝手が安定します。

防水工法ごとの相性と保護モルタルを選ぶコツが手に入る!

ウレタン防水と保護モルタルはどんな時に最適?

ウレタン防水は下地への密着性が高く、複雑な形状のバルコニーや屋上に適します。そこで保護モルタルを重ねる判断は、歩行や荷重、紫外線の影響をどこまで抑えたいかで決まります。密着工法では下地の動きが仕上げに伝わりやすいため、ひび割れ抑制のために適切な厚み管理伸縮目地が鍵です。絶縁工法なら防水層と下地の動きを切り離せるので、保護モルタルの安定性が上がります。屋根やベランダでの常時歩行がある場合は30mm以上を基準に検討し、非歩行なら軽量化と排水勾配の確保を優先します。厨房のように水や油の飛散がある環境では、耐久と清掃性を両立するためにウレタン防水+保護モルタルの組み合わせが有力です。

  • ポイント: 密着工法は下地の動きに敏感、絶縁工法は安定

  • 厚み目安: 非歩行は抑えめ、歩行は30mm以上で耐久向上

  • 留意点: 勾配づくりと排水計画を同時に検討する

短期の美観よりも、長期の防水層保護とメンテナンス性を軸に選ぶと失敗しにくいです。

FRP防水と比べてわかる保護モルタルの強みと弱み

FRP防水は硬質で摩耗に強く、短工期が魅力ですが、局所的な衝撃で割れやすい側面があります。保護モルタルは下地調整と荷重分散に優れ、防水層の紫外線遮断機械的保護に効果的です。歩行や設備荷重が想定される屋上では、FRP単体よりもモルタルで防水層を守るほうが長期の維持に向きます。一方で、保護モルタルは乾燥・硬化時間が必要で、重量も増すため構造検討が欠かせません。既存改修では、クラックリスクを抑えるためトンボで厚み均一化プライマーの適正選定が重要です。用途の違いを理解し、摩耗、割れ、荷重のバランスで選択すると、屋上やベランダの耐久が安定します。

  • 強み: 荷重分散、紫外線から防水層を保護、下地不陸を是正

  • 弱み: 乾燥期間と重量増、ひび割れ対策が必要

  • 判断軸: 歩行頻度、設備重量、下地の動きやすさ

FRPは硬く軽量、保護モルタルはしなやかに守る。現場条件で最適解は変わります。

アスファルト防水やシート防水と保護モルタルの組み合わせ力

アスファルト防水やシート防水は層構成が明確で、保護モルタルとの相性が良好です。屋上などの非歩行部は保護モルタル30mm前後、歩行部や機器設置部は厚みを増して荷重分散を図ります。立上りや入隅は動きが集中しやすいため、面木処理クラック誘発目地で負担を逃がすと長持ちします。改修では既存の劣化や浮きを見極め、撤去か増張りかを判断します。厨房では保護モルタル厚みを確保し、排水口まわりの勾配を丁寧につくることが雨水と油分の滞留対策になります。シンダーコンクリートを下層に使い軽量化する手もありますが、躯体条件と防水層の仕様を確認して選定します。

  • チェックポイント: 下地含水、付着力、既存防水層の状態

  • 重要工程: 勾配形成、入隅処理、目地計画

  • 材料選定: プライマーとポリマー混和で密着性を強化

下地の状態を先に見極めると、工法選定と厚み設定がスムーズになります。

項目 ウレタン防水+保護モルタル FRP防水単体 アスファルト・シート防水+保護モルタル
歩行・荷重への強さ 厚み調整で高い 中〜高(衝撃に弱い場合あり) 面で荷重分散に強い
複雑形状への追従 得意 普通 普通
工期・重量 中〜長・中重量 短・軽量 中・中重量
改修適性 下地不陸の是正が容易 下地精度が必要 既存層との親和性が高い

この比較は現場条件の優先度整理に有効で、費用対効果の検討にも役立ちます。

  1. 目的を明確化する:非歩行か歩行か、設備荷重の有無を定義
  2. 下地を調査する:含水、強度、ひび割れ、段差を確認
  3. 工法を組み立てる:密着か絶縁か、目地と立上りの納まりを計画
  4. 厚みと材料を決める:保護モルタルの配合、トンボで均一化
  5. 仕上げと管理:乾燥養生、排水テスト、定期点検で劣化を早期発見

工程を段階化すると、施工品質のブレが減り、防水層の寿命を伸ばせます。

保護モルタルが劣化したら…初期症状から原因まで丸わかり点検法

保護モルタルで見落としやすい!劣化のサイン総まとめ

保護モルタルは屋上やベランダの防水層を守る大切な下地ですが、初期症状を見逃すと雨漏りや修理費用の増加につながります。まず確認したいのは表面の色と質感です。濃淡むらや白華が出ていれば含水が進み、劣化のサインと読めます。次に、ヘアークラックの有無をチェックします。幅0.3mm未満でも連続しているひびは防水層に負担を与えます。打音検査で「コンコン」と高い音がすれば浮きの可能性、鈍い音なら含水が疑われます。コケや藻は乾燥不良と排水不良の指標で、紫外線と雨水の複合劣化を示唆します。端部や立上り、シーリング際は剥落が起点になりやすく、下地と保護モルタルの密着不良が潜んでいることもあります。小さな兆候の段階で清掃と点検を行えば、工事の範囲を最小化できます。

  • 白華や色むらが広がる

  • ヘアークラックが網目状に出る

  • 打音で浮きが疑われる

  • コケや藻が再発しやすい

短時間でも定期の目視と打音を組み合わせると、劣化の進行を早期に把握できます。

保護モルタル劣化の「主な原因」と「施工ミス」の関係とは?

劣化は環境要因と施工品質の両輪で進みます。紫外線は表面の微細劣化を進行させ、凍結融解は含水したモルタル内部を繰り返し膨張させてクラックと剥離を誘発します。塩害環境では塩化物が水分とともに浸透し、鉄筋腐食と膨張から表面剥落を生みます。ここに下地不良が重なると進行は一気に早まります。素地の含水が高いまま施工すると密着不足となり、養生不足は乾燥収縮ひびを増やします。プライマーの選定ミスや塗布ムラ、厚みの不均一、ドレンや目地の納まり不良も水の滞留を招きます。厨房のような高湿・高温環境では、歩行や洗浄での衝撃と薬品が表面を摩耗させるため、厚み確保と適切な材料選定が必須です。結果として、防水層に直接外力が及び、防水の寿命短縮へ直結します。

要因 症状の出方 施工での主な対策
紫外線 表面粉化・色あせ 仕上げコートと定期塗装
凍結融解 クラック・剥離 水勾配確保と含水管理
塩害 さび汁・剥落 かぶり厚と防錆処理
下地不良 浮き・段差 下地補修とプライマー最適化
養生不足 収縮ひび 乾燥時間と温湿度管理

表に当てはまる症状が複合する場合は、原因も複数であることが多いです。

放置すると怖い!保護モルタル劣化による被害リスク

症状を放置すると、保護モルタルの防護機能が低下して防水層の急速劣化が起きます。微細なひびや浮きから雨水が侵入し、屋上やベランダ、バルコニーの下階へ漏水が波及します。含水が続けば鉄筋が錆び、膨張でコンクリートを押し割るため補修範囲は拡大します。結果として、部分補修で済んだはずの工事が撤去と再施工を伴う大規模改修へと発展し、費用と工期が増加します。屋根や外壁、シート防水の取り合い、ドレン周りの納まり不良は被害の起点になりやすく、台風や地震の荷重が重なると剥落事故のリスクも上がります。進行を止める最短手順は、現場の状態確認からの原因特定と優先順位付けです。

  1. 目視と打音で範囲を把握する
  2. 含水率と下地強度を確認する
  3. クラックの幅と深さを記録する
  4. 排水と水勾配、目地を点検する
  5. 対策工法と厚み、材料を選定する

小さなサインのうちに対応すれば、工法は軽く、コストも抑えやすくなります。

保護モルタルの標準施工手順と失敗しない品質管理テクニック

下地処理・プライマー塗布で守るべきポイント

保護モルタルの性能は下地で決まります。まずコンクリートやシート防水の表面をケレンで清掃し、レイタンスや油分、旧塗膜を除去します。ひび割れは幅に応じてVカットやUカットを選び、樹脂注入やポリマーセメントで補修します。含水率は重要で、屋上やベランダのコンクリートは過乾燥でも過湿でも密着が低下します。目標は表面乾燥で内部に適度な水分が残る状態です。プライマーは下地種別に合わせ、シート防水には密着性重視、ウレタンには同系統推奨です。塗布量はメーカー標準を守り、ピンホールを避けて均一に施工します。

  • ケレンで下地の付着阻害物を除去

  • ひび割れは幅と深さで補修工法を選定

  • 含水率を安定させて密着を確保

  • 下地に合うプライマーを所定量で均一塗布

モルタル塗りと仕上げ養生で押さえたい大事な基準

モルタル配合はセメントと砂を基礎にし、耐久や密着向上にはポリマーを併用します。屋上の非歩行は厚みの均一性を優先し、厨房床は防水層保護と排水勾配を両立します。塗り厚はトンボや目地棒で管理し、端部や立上りのダレを防ぎます。打設後は初期乾燥ひび割れを避けるため散水やシート養生を行い、急激な乾燥と低温による硬化不良を抑えます。次工程は所定の乾燥時間と付着強度を確認してから進めます。温湿度は表面温度を基準にし、直射日光や強風は遮蔽して品質を守ります。

  • 塗り厚はトンボで均一化し勾配を確保

  • 初期乾燥を防ぐ湿潤養生でクラック抑制

  • 温度と風を管理して表面急乾を回避

  • 次工程は乾燥時間と付着強度の確認後

仕上げ後の検査チェック!保護モルタル受け入れ基準リスト

仕上げ面は平滑で勾配が連続しているか、端部納まりに隙がないかを確認します。付着強度は下地と一体化していることが前提で、打診による浮きの有無も重要です。含水率は後工程の防水や塗装の密着に直結するため、表面含水の安定が必須です。厚みは複数点で実測し、設計値からの偏差を管理します。目地や立上りと平場の取り合いは防水層を損なわないようディテールを再点検します。

確認項目 基準の目安 チェック方法
平滑度・勾配 水たまりが生じない連続勾配 水糸・レベルで確認
付着状況 浮きや剥離がない 打診・目視
厚み偏差 設計値に対し均一 ピン測定・切り欠き
含水状態 表面安定で過湿過乾燥を避ける 含水計・養生確認

平滑・付着・厚み・含水の4点を外さなければ、防水層と一体で長期の耐久が期待できます。

保護モルタル施工でよくあるトラブルと回避テクをまとめて紹介

不具合は初期対応で回避できます。ピンホールは過度なブリーディングや骨材分離が原因になりやすく、適切な配合と打込み速度の管理で抑えます。空隙はこて圧不足や不適切な締固めが要因で、均一な塗り付けと端部の押さえ込みを徹底します。剥離は下地の汚れや含水のばらつきで発生するため、洗浄と含水管理を優先します。端部納まりは立上りとの取り合いが弱点になりやすく、面取りと増し押さえを行います。厨房やベランダなど水が溜まりやすい場所は排水計画を先に確定し、シート防水やウレタンとの相性を考えた材料選定でリスクを小さくします。

  1. ピンホール対策:配合見直しとブリーディング抑制、こて圧を均一にします。
  2. 空隙防止:塗り回数を最適化し、立上りと端部を重点的に押さえます。
  3. 剥離回避:下地清掃と含水の平準化、適正プライマーで密着を確保します。
  4. 端部納まり強化:面取りと増し押さえ、シール処理で水の侵入経路を断ちます。
  5. 排水計画:勾配とドレン位置を先決し、水たまりを作らない設計にします。

保護モルタルの費用相場や単価がすぐわかる!金額丸見えガイド

保護モルタルの施工単価は?気になる工期の目安もご紹介

保護モルタルの費用は、一般に「㎡単価×厚み×条件」で決まります。相場感としては、非歩行の屋上やベランダでの標準厚みなら1㎡あたりの施工単価は中程度の価格帯、厨房など下地調整や立上りが多い現場は単価が上がりやすい傾向です。厚みは屋上で30mm前後、歩行や荷重がかかる場合は50mm以上、厨房は10mm程度が目安で、厚いほど材料費と搬入費、硬化養生の時間が増えます。工期は100㎡規模で、下地が良好なら2~3日、下地補修や防水層の保護、立上り成形を含めると3~5日が目安です。ウレタン防水の上に保護モルタルを被せる場合は、プライマーや乾燥管理が必要で養生時間の確保が重要になります。シート防水での保護はシンダーコンクリートや保護コンクリートを併用する設計もあり、搬入条件やポンプ可否で生産性が大きく変わります。

  • 費用に効く要素:厚み、面積、下地調整、立上り量、搬入

  • 工期に効く要素:乾燥・硬化時間、天候、運搬動線、目地・トンボ仕上げ

  • 品質の要点:防水層の保護、ひび割れ抑制、均一な厚み管理

短工期と適正価格を両立させるには、面積と厚み、搬入制約を最初に共有して算定してもらうことが近道です。

予算を賢く抑えるための見積もり比較ポイント

見積もりは「同条件で横並び比較」が鉄則です。厚みの統一下地調整の範囲明記搬入方法を揃えないと単価比較がブレます。保護モルタルの材料はセメント系が中心ですが、ポリマー改質やウレタン防水との密着仕様などで単価と性能が変動します。厨房や立上りは排水勾配、巾木、端部シールなど付帯が多く、工程別単価を分けて記載してもらうと妥当性を判断しやすいです。トンボによる厚み均一化、伸縮目地の有無、シート防水の保護コンクリート厚み、アスファルト防水の納まりなど、防水層との整合を必ず確認しましょう。保証条件は工事範囲ごとに異なるため、防水層と保護層の責任分界を明記してもらうと安心です。

比較項目 確認内容 価格への影響
厚みと面積 屋上30mm、歩行50mm、厨房10mmなどの指定 材料・搬入費に直結
下地調整 クラック補修、プライマー、シーリングの範囲 手間・工期が増減
搬入方法 ポンプ圧送の可否、仮設費、残材処理 生産性と費用が変動
端部納まり 目地、立上り、巾木、シート防水保護の方法 仕上がりと耐久に影響
保証 年数、範囲、再施工条件 長期コストを左右
  • チェックすべき明細:㎡単価、厚み、下地調整、立上り、目地、搬入、養生、撤去・清掃

  • 見落としやすい費用:発生材処分、夜間作業、養生延長、雨天順延対応

番号順で比較すると抜け漏れが防げます。

  1. 施工範囲と厚みを図面で統一する
  2. 下地調整の数量根拠を提示してもらう
  3. 搬入経路と圧送可否を事前確認する
  4. 防水層との納まり図を取り交わす
  5. 保証の対象範囲と年数を文書化する

同条件で3社程度を比較すれば、過不足ない単価と適正工期が見えやすくなります。

保護モルタルの改修で失敗しないための現地調査虎の巻

密着工法と絶縁工法どっちが最適?判断に迷わないチェック法

密着工法か絶縁工法かの分岐は、下地の含水・動き・既存防水層の健全度を総合判定するのが近道です。ポイントは三つです。まず含水が高い屋上やベランダでは、水分起因の膨れを避けるために絶縁工法が安全です。次に構造の動きが大きい屋根やバルコニーなら、防水層の追従性を損ねない絶縁が有利です。最後に既存層が健全で付着試験の数値が十分なら、密着で厚みと重量を最小化できます。雨漏り履歴、伸縮目地、勾配の有無、端部や立上りの納まり、紫外線劣化の程度まで確認し、防水層との相性を現場で見極めます。保護モルタルの材料選定は、下地補修後の付着強度と乾燥時間の管理が鍵です。

  • 含水が高い場合は絶縁工法を基本に検討

  • 動きが大きい部位は絶縁でリスク低減

  • 既存層が健全なら密着でコストと厚みを圧縮

現場で見逃せない保護モルタルの調査チェックリスト

保護モルタルの改修は、ひび割れや浮きの見極めが成否を左右します。クラック幅の分類、打診での浮き率、勾配・排水の機能、端部や立上りの納まりを系統立てて確認します。防水層の種類やウレタンの有無、トップの劣化、シーリングの切れ、立上りの防水終端の固定状態、パラペットやドレン周りの雨水滞留も重要です。厨房や屋内の改修では厚みと清掃性を合わせて設計し、屋上では温度変化と紫外線の影響を考慮します。点検結果は図面化し、補修範囲・工法・費用の比較に直結させます。

  • ひび割れの種類と幅を記録

  • 浮き・はらみの範囲を打診で把握

  • 勾配・排水・ドレンの通水を確認

  • 端部・立上り・目地の納まりと劣化を確認

既存の防水上への保護モルタル施工ポイント

既存の防水層に保護モルタルを新設する際は、付着強度、下地補修、撤去要否を先に判断します。シート防水やウレタン防水の上では、プライマー適合と試験施工で付着強度を数値確認し、浮きや脆弱部は撤去または絶縁レイヤーで切り離します。厨房や常時清掃水がかかる環境では、厚みと勾配で排水性を先に確保し、立上りは端部金物と一体で納めます。屋上やベランダは温度伸縮が大きいため、伸縮目地とひび割れ誘発目地を適所に設けて劣化を遅らせます。単価と工程は、撤去量・補修量・厚みに支配されるため、現場の数量化がコスト管理の近道です。

判断項目 密着工法が向く条件 絶縁工法が向く条件
含水状態 含水が低く乾燥管理が可能 含水が高い、乾燥確保が困難
構造の動き 小さく安定している 大きい、温度差が大きい
既存防水層 健全で付着試験が良好 浮き・劣化・不明点が多い
  1. 付着・適合試験を実施し数値で判断します。
  2. 浮きや脆弱部を補修し、必要なら部分撤去します。
  3. 勾配と排水を再設計し厚みを決定します。
  4. プライマーと保護モルタルの材料適合を確認します。
  5. 目地・端部・立上りの納まりを先行決定します。

強調ポイントは一つです。付着強度の実測と含水管理が工法選定の核心で、これを外すと雨漏りや膨れの再発につながります。

実際の現場から学ぶ!保護モルタル施工の成功と失敗事例集

屋上改修で保護モルタルが最大効果を発揮した進め方

屋上の防水層を長持ちさせる要は、調査と厚み管理、そして工程の順守です。既存の防水層や下地の状態を点検し、雨漏りの原因クラックの有無を把握してから計画を固めます。非歩行屋上では保護モルタルの厚みを目安30mm、歩行や点検が多い屋上は50mmを採り、伸縮目地と排水計画を同時に設計します。材料は密着を重視してプライマーを先行し、必要に応じてポリマーセメントを選定します。打設はトンボで均し、防水層の段差や立上りの納まりを丁寧に処理します。乾燥・養生は風と紫外線の影響を考え、散水やシートで表面の急乾燥を防ぎます。最終はトップコートや塗装で表面を保護し、定期点検で劣化の進行を抑えます。

  • 厚みは用途で決める(非歩行30mm/歩行50mmが基準)

  • プライマーで密着性を確保し剥離を防止

  • トンボで均一化して排水勾配を確保

  • 養生時間を厳守して表面ひび割れを抑制

下地の状態確認と厚み管理をセットにすると、屋上全体の耐久とコスト最適化につながります。

判断項目 推奨アクション 失敗例の回避策
下地の含水 乾燥確認の上で施工 雨後は含水測定を行う
厚み設計 非歩行30mm/歩行50mm 勾配計算で水溜まりを回避
立上り納まり 入隅R処理と増し塗り 直角のままにしない
目地計画 伸縮目地を区画ごとに設置 長辺連続の打設を避ける

ベランダや厨房での保護モルタルトラブルを防ぐ知恵袋

ベランダは温度差と日射、厨房は熱水と油分が厳しく、防水層の保護が要です。ベランダは薄塗りでのひび割れや排水口周りの浮きを避けるため、目地と入隅のR処理を徹底します。厨房は水勾配と防滑仕上げを優先し、厚みは10mmを目安にしてウレタン防水との相性を確認します。シート防水上では保護モルタルの密着が落ちやすいため、プライマーとメッシュで補強し、立上りはシーリングで境界を保護します。トンボで均しつつ排水口への通水テストを行い、雨水や洗浄水の滞留をゼロにします。厨房機器の振動と熱に備え、可とう性のある材料とコンクリート下地の補修を同時に行うと安定します。

  1. 入隅・立上りを面取りやR処理して応力集中を低減
  2. 排水口まわりをメッシュ補強し剥離とクラックを抑制
  3. 厚みと勾配をトンボで管理して水溜まりを防止
  4. 防滑仕上げを選定し転倒リスクを低減
  5. 乾燥後にトップコートを施し汚れと紫外線から保護

現場ごとの使用環境を材料選定に反映し、工程ごとに確認を挟むことでトラブルの発生を大きく抑えられます。

保護モルタルのよくある質問と施工前のチェックリスト

保護モルタルの厚み・材料・費用・工期・養生・増し打ちもこれで安心!Q&Aまとめ

保護モルタルは防水層やコンクリート表面を物理的・環境的ストレスから守る仕上げで、屋上やベランダ、厨房の床などに使われます。厚みは用途で変わり、非歩行屋上は目安30mm前後、歩行や荷重がある場所はより厚く、厨房は10mm程度が採用されやすいです。材料はセメントと砂を基本に、ポリマー系添加剤で密着と耐久を向上させます。費用は条件差が大きく、単価は1㎡あたり数千円台からが相場の入口です。養生は硬化と乾燥を待つ工程で、早期通行の回避が品質の鍵になります。既存面の増し打ちは、下地の付着強度確認とプライマー処理が前提です。

  • 厚みは用途で最適化し、防水層や下地の性能を活かします

  • 材料選定は密着と耐久が焦点で、ポリマーや軽量骨材の使い分けが有効です

  • 工期は下地乾燥と養生時間が支配的で、雨天や低温時は延びやすいです

保護モルタルの採用可否や仕様は、現場の防水層種類や想定荷重の確認から逆算すると判断しやすくなります。

質問 要点 実務の目安
厚みはどれくらい必要? 用途と荷重で決定 非歩行屋上約30mm、歩行は増厚、厨房は約10mm
材料は何を使う? セメント+砂+添加剤 ポリマー改質で密着と防水性を補強
単価はどの程度? 条件で変動 1㎡あたり数千円台からが目安
厨房での注意点は? 防水層保護と清掃性 勾配と水勾配、立上りの連続性を確保
増し打ちは可能? 付着と厚み管理が肝 既存面処理とプライマー、浮きの除去が前提

保護モルタルの品質は、厚みの均一化、勾配設定、ジョイント処理の丁寧さで大きく変わります。トンボや定規で平滑性と厚み管理を可視化し、必要に応じシンダーコンクリートや軽量骨材で荷重と断熱のバランスを取りましょう。

  1. 既存防水層や下地の状態を点検し、浮き・クラック・含水を把握する
  2. 勾配と仕上がり厚を計画し、トンボで基準高さを通す
  3. プライマーや樹脂系接着増強材を適用して密着を確保する
  4. 締固めと金鏝仕上げで表面の緻密化を行い、端部と立上りの連続性を守る
  5. 養生期間は温湿度と厚みに応じて通行・通水制限を設定する

Q&A

  • Q: 厚みは薄いほど軽くて良い?

A: 薄すぎると防水層保護力と耐衝撃性が低下します。用途に応じた厚み設定が必要です。

  • Q: 厨房での適切な厚みは?

A: 一般的に約10mmが採用されやすく、水勾配と清掃性を確保します。

  • Q: シート防水の上でも施工できる?

A: 可能ですが、保護モルタル防水としての納まり検討と立上り連続性が重要です。

  • Q: ウレタン防水との相性は?

A: 下地処理とプライマー選定が決め手です。密着型工法では含水と乾燥時間に注意します。

  • Q: 施工単価はどれくらい?

A: 1㎡あたり数千円台からが目安ですが、厚みや下地処理、面積で変動します。

  • Q: 養生はどのくらい必要?

A: 気温や厚みによりますが、初期通行は避けるのが安全です。乾燥と硬化の両立を見ます。

  • Q: 増し打ちの注意点は?

A: 既存面の付着強度・汚染・含水を確認し、プライマーと目荒らしで密着を補強します。

  • Q: トンボとは何をする道具?

A: 厚みと平滑を通す基準器具で、勾配とレベル管理を安定させます。

  • Q: シンダーコンクリートは使うべき?

A: 軽量化や断熱寄与を狙う場合に検討します。荷重制限のある屋上で有効です。

  • Q: 防水モルタルとの違いは?

A: 防水モルタルは材料自体が防水機能を持ち、保護モルタルは防水層を守る役割が中心です。